浦和の元日本代表MF阿部勇樹(40)が今季限りで現役を引退 引退理由や本人コメント、ネットの声まとめ

浦和の元日本代表MF阿部勇樹(40)が今季限りで現役を引退する方向で調整していることが12日までに分かった。今季は4年ぶりに開幕先発に名を連ね、主将も務めたが、足の負傷もあり、ここまで出場12戦にとどまった。守備的MF、DFを主戦場に歴代4位のJ1通算589戦出場、国際Aマッチ出場53戦3得点など日本サッカー史に名を刻んだレジェンドがまた1人、ピッチを去る。

 浦和の象徴として記憶にも記録にも残る存在だった。39歳で迎えた今季開幕戦。「端数を切れば、まだ30歳」と笑う阿部がいた。戦術眼を買われ、4年ぶりに開幕スタメンを果たす。J1出場23季目は歴代最多の金字塔。だが足の負傷に泣かされ、ここまで出場12戦。9月には40歳を迎えた。スパイクを脱ぐ時が近づいて来た。

 21年はまさに記録ずくめだった。39歳5カ月21日で決めた開幕戦ゴール、5月の仙台戦で決めたFK弾(39歳8カ月3日)はいずれも日本人最年長記録。正確無比な右足で「アベッカム」健在ぶりを示した。3月の横浜FC戦では通算21点目のPKに成功。20点以上決めたキッカーは5人いるが、唯一、成功率100%を誇る。

 98年8月、市原(現J2千葉)で当時のJ1最年少デビュー。オシム監督の申し子として05、06年にナビスコ杯を連覇。A代表でも10年W杯南ア大会で16強進出に貢献した。今季、通算14季目を迎えた浦和への愛は強く、4年ぶりに主将としてけん引した。黄金期も低迷期もサポーターとともにあり、07、17年と2度のACL制覇を経験。自身の引き際には「長く応援してもらったことにある程度、返せたかなと思った時」と話していた。

 常に浦和の責任、魂を背負った。07年ACLでは直前に右足甲を痛めながら靴下に「我慢」と書き込み、インドネシア遠征に帯同。PK戦までもつれた準決勝の城南(韓国)戦では足を引きずりながら気持ちで決めたシーンが印象深い。以前から指導者への興味も示し、第2の人生も注目される。偉大な勇姿が見られるのはJ1残り3戦と天皇杯となりそうだ。

◇阿部 勇樹(あべ・ゆうき)81年9月6日、千葉県出身の40歳。市原時代の98年、当時最年少の16歳333日でJ1デビュー。07年1月、当時国内最高の移籍金4億円(推定)で浦和に移籍。10年夏に英2部レスターへ移籍、12年1月に浦和に復帰。16年10月には海外移籍経験者では初のJ1通算500戦出場。17年5月には当時J1最多の138戦連続フル出場を記録。10年W杯南ア大会では16強進出に貢献。1メートル78、77キロ。

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